君にお願い五題
1:さわりたいな(佐慶)
「風呂、入ってからにしなよ」
「今すぐじゃ、駄目?」
「駄目。俺が風呂入ったし」
そう言いながら、既に着物は肌蹴ている。
薄い藍の浴衣に見え隠れするのは、布に擦れただけでぷくりと尖る、桜色。
「なあ、早く行ってきて?」
思わず伸ばした指は、乾いた音を立てて、畳の上へ。
2:ちょっとだけいいでしょ?(親慶)
後ろから、抱き締める。
首筋へ幾度も口付けを落として。
唾液に濡れた、舌を這わせた。
「…何に発情したんだよ…」
「アンタが、ここにいることに」
「何だそれ」
既に下着を押し上げる股間を、ぐりぐりと、押し付けた。
3:まだいかないで (政慶)
ひくひくと、脚が震えている。
起立した股間も、一緒に揺れて。
滴っていくさらりと透明な液。
前に屈み、顔を寄せてその味を、確かめた。
「…あ、もう…嫌だァ…っ」
涙が、滴り落ちるのを見た。
それでも。
「まだだ。まだ、早ェ」
慶次の陰茎は、キツく、キツく、縛ってある。
ああもっと、その歪む顔が。
常に笑みの耐えない顔が、恐怖と、苦しみに、歪む様が。
「は、ひッ…まさ、ね…助け…あァッ!」
握り潰した隠嚢は、むにゅりと、指の隙間から溢れていた。
4:もうがまんしない(小十慶)
「小十郎さん」
「慶次」
「…嬉しい…」
知っているのは、主の想い人という事実。
しかしそれを知っていても、抑えられない気持ちだって、ある。
小十郎が、慶次を強く抱き締めた。
脱がせ辛い服に、舌打ちの1つもしたけれど。
5:もっともっとちかづきたい(幸→慶)
『ゆきむら』
その声を思い出すことが、幸せだった。
その笑顔を思い出すことが、幸せだった。
なのに、今は。
「…ああ…慶次、殿っ…」
思い出すだけで、ずん、と重くなる下肢を。
夜な夜な、慰める。
とろりとした精液を、毎夜、毎夜、吐き出した。
(足りない、足りない)
もう、想像の貴方では。
己の掌では。
足りない。